無痛分娩 Q&A

Q12. 自己調節硬膜外鎮痛とはなんですか?

自己調節硬膜外鎮痛(Patient Controlled Epidural Analgesia:PCEA)は、痛みに合わせてお母さん自ら硬膜外腔へ鎮痛薬を投与できる鎮痛法です。まず無痛分娩を開始するときに、医療スタッフはお母さんの硬膜外腔へ硬膜外カテーテルを留置し、鎮痛薬を投与します(硬膜外無痛分娩)。また、硬膜外カテーテルにPCEAボタンのついた器械を接続します。徐々に分娩が進行し、痛みを強く感じたときには、お母さんが自らPCEAボタンを押し、硬膜外腔へ鎮痛薬を追加することができます。

PCEAのメリットは、お母さんが医療スタッフに配慮することなく、痛くなったらすぐに鎮痛薬を投与できるという安心感です。PCEAボタンを押すだけで鎮痛薬が一定量入る仕組みになっており、操作は非常に簡単です。また、ロックアウトタイムという投与間隔の制限があるため、ボタンを何度も押しすぎて鎮痛薬を投与しすぎる心配はありません。

このような硬膜外鎮痛はその他の鎮痛法に比べ、安定した鎮痛ができ、追加される鎮痛薬の量や回数が少なくなると言われています。(※1)またPCEAは必要最低限の鎮痛薬で痛みを和らげることが可能なため、麻酔薬が効きすぎて足の力が入らないという状態になりにくく、赤ちゃんを娩出するために継続して力むことができます。実際、PCEAを使用することで足に力が入らないなどの理由で帝王切開に切り替わる頻度は少ないと報告されています(※1)。このような硬膜外鎮痛はその他の鎮痛法に比べ、安定した鎮痛ができ、追加される鎮痛薬の量や回数が少なくなると言われています。(※1)またPCEAは必要最低限の鎮痛薬で痛みを和らげることが可能なため、麻酔薬が効きすぎて足の力が入らないという状態になりにくく、赤ちゃんを娩出するために継続して力むことができます。実際、PCEAを使用することで足に力が入らないなどの理由で帝王切開に切り替わる頻度は少ないと報告されています(※1)。

硬膜外無痛分娩の際にPCEAを用いることは、上記のような安心で安全な鎮痛管理を行うことができるため、お母さんや赤ちゃんにとってメリットの多い鎮痛法の一つです。

硬膜外無痛分娩を行う施設のなかでも、PCEAを取り扱っていない施設もあるため、各分娩施設の医療スタッフに気軽にお問い合わせ下さい。

  • ※1. Wydall S et al. Can J Anaesth. 70:406-442, 2023