無痛分娩 Q&A
Q7. 日本の現状、無痛分娩実施施設について
2022年の調査では、日本には2013の分娩施設があり、そのうち無痛分娩を実施している施設は742施設で約11.6%です(※1)。近年、無痛分娩の普及が進み、2018年には5.2%(※1)だった無痛分娩率が、2023年には13.8%に増加しました(※2)。
しかし、欧米諸国と比較すると、日本の無痛分娩の普及率は依然として低い状況にあり、無痛分娩取り扱い施設数には地域間の格差があります。
これまで厚生労働省が無痛分娩を行っている施設の情報を公開していましたが、令和5年3月31日をもって終了し、この情報は無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)の「全国無痛分娩施設検索」に一元化されました。2025年1月末現在、日本全国で416施設が掲載されています。
無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA; https://www.jalasite.org/)は、日本における無痛分娩の安全性向上と普及を目的とした学会や団体の連携組織です。2018年に設立され、2019年2月には公式ホームページを開設し無痛分娩に関する情報提供を行っています。上記の全国無痛分娩施設検索では「無痛分娩取扱施設のための、 「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」に基づく自主点検表」に基づいた、各施設の診療体制、情報公開、インシデント・アクシデントの報告についての情報を確認することができます。
また、無痛分娩の情報は厚生労働省が提供している出産施設検索サイト「出産なび」(https://www.mhlw.go.jp/stf/birth-navi/index.html) からも見ることができます。都道府県、市町村を選び、詳細条件の中の付帯サービスの中の「希望による無痛分娩あり」にチェックを入れて検索するとお近くの市町村で無痛分娩を提供している施設を探すことができます。
無痛分娩を希望する場合、施設によって実施方法や対応体制が異なるため、事前に詳しい説明を聞くことが大切です。また、安全な無痛分娩を受けるためには、知識と経験を十分に持った医師が在籍している施設を選択することをおすすめします。
- ※1. 松田 秀雄. 無痛分娩 産科施設の立場から-日本産婦人科医会施設情報からの解析- 松田秀雄 医療法人社団 出産相扶会 松田母子クリニック.; 2023
- ※2. 厚生労働省, 令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況