無痛分娩 Q&A

Q8. 「無痛分娩を希望するなら計画分娩(誘発分娩)になります」といわれました。

「計画分娩(誘発分娩)」とは、お産する日を前もって決めることです。自然の陣痛が来る前に、子宮の出口をラミナリア(海藻の茎)やメトロ(水風船)で広げる前処置をし、腟剤や点滴からの薬を用いて分娩を進行させます。日本では、無痛分娩は計画分娩(誘発分娩)で行うという施設も少なくありません。自然に陣痛が来て、お腹が痛くなったときに硬膜外無痛分娩を始められることが理想ですが、現在の日本では安全に365日24時間硬膜外無痛分娩に対応できる体制が整っている施設は限られます。そこで妊婦さんがなるべく希望通りに硬膜外無痛分娩を受けられるように、自院が安全に施行できる時間帯や曜日に限定して計画的に分娩を進める場合があるのです。自然に分娩が開始してもいないのに・・そのような印象で戸惑う方もおられるかもしれません。海外の報告では(※1)39週の適切な分娩誘発はその分娩を安全に終了できるということが医学的に証明されており、適切な計画分娩は安全であるとされています。適切な誘発分娩とは、子宮口の熟化を待って計画分娩とすることです。統計学的には妊娠39週くらいが、子宮口の熟化がちょうどよいとされていますが、やはり個人差はあります。ですから、かならずしも〇週で誘発するといった予定で進むわけではありません。妊婦健診の時の子宮口の状態を確認して担当医師と十分相談して予定を組むことで安全に計画無痛分娩を行うことができると考えています。

  • ※1. Grobman WA et al. Am J Obstet Gynecol. 221(4):304-310,2019